2024年Looker Studioの重要仕様変更9選

2024年Looker Studioの重要仕様変更9選

今日は2024年12月30日です。年が押し詰まり、多くの人は先週金曜日で仕事納めだったことでしょう。Googleもそうみたいで、Looker Studioへの機能追加・強化のニュースは2024年12月17日が最後で、その後はありません。今年はおそらく打ち止め。と思っても良いでしょう。そこで、2024年のLooker Studioへの重要な仕様変更をまとめてみました。

 

出典はこちらの Looker Studio Release Noteです。https://cloud.google.com/looker-studio/docs/release-notes

 

リリースノートには、Lookerや、Looker Studio Proに関するアナウンスも含まれていますが、このブログでは、無償のLooker Studioに関するものだけを取り上げます。また、リリースノートには、「フォーラムがGoogle Cloudに移動しましたよ」とか、「パートナーコネクターが追加されました」などの情報もありますが、このブログ記事では、Looker Studio自体の「機能追加」や「機能強化」を取り上げました。私の取捨選択が多少入っていますので、必ずしもすべての仕様変更を網羅している訳ではないことにご注意ください。

2024年に発生した対象の26の「仕様変更」から、わたしの主観で「超重要」を5個、「重要」を4個、合計9個の仕様変更を取り上げました。取り上げた結果は、せっかくなのでLooker Studioのレポートとしてまとめました。今のままでも使えますが、右下に全画面表示ボタンがあるので、拡大したい方はご利用ください。

 

 

超重要仕様変更5選

26個の対象のうち、わたしが、超重要と思う5つの機能追加・機能強化は以下の通りです。順不同(発表された順に記述しています。重要度に差はありません。)

 

タイムライングラフの登場(2024年4月25日)

新しいグラフテンプレートが増えるということは、新たなグラフ表現ができるということですので、超重要な仕様変更に該当するかと思いました。詳しい利用方法は、以下の記事にまとめていますので、興味のあるかたは、ぜひご一読ください。

 

エクセル データコネクターの登場(2024年9月26日)

Googleスプレッドシートへのコネクタは随分前からあったのですが、エクセルはありませんでした。やはり自社製品推しなのかな?とも思っていたのですが、そうでもなく?エクセルのコネクターが登場しました。企業が持っているデータは(スプレッドシートに移植する流れはあるかとは思いますが)まだまだエクセルに格納されていると思いますので、意義深い仕様追加だと思います。

エクセルのコネクター

  

ファネルグラフの登場(2024年9月26日)

またまた新しいグラフテンプレートの登場です。しかも、エクセルやTableauでの描画がなかなかキレイにできないファネルチャートでしたから、気分上がりましたね。ビジュアル面でも非常にキレイに描画されますし、他のグラフ同様、クロスフィルタリングの対象にもできるので、さまざまなディメンションの要素でフィルタしながらファネルの形を確認することも容易です。文句なしに、2024年の超重要仕様変更の一つといえるでしょう。こちらについても詳細を記事にまとめていますので、興味のある方はご一読ください。

 

 

レポート閲覧ユーザーが適用されているフィルタを確認可能に(2024年11月21日)

レポート、フィルタ、あるいはチャートにフィルタがかかっているとグラフで描画されるデータは大きく形を変えます。GA4のデータで言えば、例えば、「デバイスカテゴリが desktopに一致」というフィルタがかかっていれば、サイトによっては全体の半分以下のデータだけが対象になるでしょう。しかし、ここで紹介している機能がローンチされるまでは、レポート閲覧ユーザーは適用されているフィルタの内容を知ることができませんでした。

そのため、レポート作成者がレポート上で注釈をつけたり、不安におもったレポート閲覧ユーザーからの問い合わせに対応したりする必要がありました。この機能によりそうした必要がなくなりましたので、素晴らしい機能強化です。以下の記事に詳細をまとめていますので、ご覧ください。

 

 

スコアカードで「ディメンション」を利用可能に(2024年12月17日)

スコアカードというと、それまでは「集計された指標」(たとえば、売上合計)を大きなフォントで表示する役割でした。名前が「スコアカード」なので、スコア、つまり指標を表すという意味では「名は体を表す」状態だったとも言えます。ところが、この発表日以降、スコアカードに「ディメンション」も表示できるようにもなりました。新しいグラフテンプレートとしてではなく、スコアカードに組み込んじゃったところがすごいなと思います。もう、グラフテンプレートは十分あるよね、というGoogleの判断なのかもしれませんね。こちらについても先週記事にまとめましたので、どんな仕様かまだチェック出来ていない方は、ご一読ください。

 

 

4つの「重要」な仕様変更

「最重要」と私が思う5つの仕様変更につづき、「重要」と思う、4つの機能追加・機能強化を紹介します

 

グラフタイトルの設定機能(2024年5月2日)

全グラフを対象に「グラフタイトル」の表示機能が登場しました。もともとあるべき機能がやっと登場した。ということなのだと思います。この機能が出る前は、わざわざ「テキスト」でグラフタイトルを記述し貼り付けていましたが、そんな手間もなくなりました。嬉しい限りです。

 

グラフのタイトルの設定と表現

 

カスタムビンの作成機能(2024年6月13日)

昔からある「計算フィールド」というのは計算式を利用して新たな「ディメンション」や「指標」を作成する機能です。その「計算フィールド」から分化する形で、まずは「グループ」を作成する機能ができていました。その機能を使うと、例えば都道府県のうち、「東京」、「千葉」、「埼玉」、「神奈川」を「一都三県」のようにグループ化することができました。グループを作成する対象は「質的変数」でした。

一方、カスタムビンというのは、「量的変数」を対象にグループを作成する機能です。例えば、TOEICの点数は0点から990点まで分布しています。今、「TOEIC点数」というフィールドの値を対象に、「0点以上300点未満」、「300点以上600点未満」、「600点以上900点未満」、「900点以上」にグループ化して、それぞれ何人の受験者がいるかを知りたかった場合、「TOEIC点数」を対象にカスタムビンを作成することでその可視化ができるようになります。

 

利益を対象に3000円刻みのビンを作成している画面

 

ビンの作成自体は、それまでもCASE文を使えばできましたが、カスタムビンの作成機能により、よりユーザーフレンドリーになりました。量的指標をグループ化する「ビン」はまだまだ知られていないと思います。それを身近にした功績で「重要」認定しました。

 

「その他」の利用(2024年6月13日)

ディメンションの要素が多い時、値が小さい要素は「その他」でまとめたいことがあります。例えば、国別人口のグラフを想像してください。人口の多さでトップ10までは個別の国を知りたいけれど、それ以降の国は「その他」にまとめたい。そんなことがあります。ここで紹介している「その他」の利用はその機能を受け持ちます。対象となるグラフは表、折れ線グラフ、棒グラフ、円グラフ、面グラフ、ピボットテーブル、ツリーマップです。

以下に棒グラフを2つ掲載します。左側が「その他」を利用していないオリジナル。右側が棒の数を4本に制限して「その他」を利用した棒グラフです。Tableauにもない、便利な機能ですね。

 

「その他」を利用した棒グラフ(右側)

 

データソースのプレビュー機能(2024年12月17日)

私は、Tableau Desktopも使うのですが、それとくらべてLooker Studioが弱いと思う点の一つが、「接続したデータを俯瞰して確認できない」ことでした。それがこの機能によりずいぶん改善しました。データソースは、BigQuery、Google Sheets、Looker、Excel、CSVに限られていますが、以下の通り、どのディメンションにどんな要素があり、どんな値を保持しているのかが確認できます。

これまでは、わざわざ「表」を作って確認していただけに、大変にありがたい機能です。

 

データのプレビュー画面

 

まとめ

いかがでしたか?2024年に発生したLooker Studioの重要な機能追加について、短期間でキャッチアップするお役に立てたのなら幸いです。進化が早いツールは追いかけていて楽しいので、来年も続けようと思っています。

どうぞ、ご贔屓に。

 

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Looker Studioを一度ちゃんとまとめて学習したい皆さんには、以下の学習リソースを紹介します。5点満点で4.5点の評価をいただいています。画像をクリックするとUdemyにジャンプします。