記事別のPV数を公開からの経過日で評価する「日当たりPV数」

記事別のPV数を公開からの経過日で評価する「日当たりPV数」

Web解析のもっとも基本的なレポートで、Google アナリティクスがローンチされて以降、最新版のGA4までずっと生き残っているのが、「URL別のページビュー数」です。あるページを一人のユーザーがたくさん見た場合はどうするんだ?など、ま、ツッコミを入れようとすればいくらでも入れられるのでしょうが、どのページが”人気”なのかを、もっともシンプルに確認できるレポートと考えて良いと思います。”人気がある”ことは、コンテンツについての需要がある。ということと同義なので、どのような記事をサイトに掲載していくべきなのかのヒントを得られるでしょう。

 

一方、特にブログサイトで困ることがあるのが、「このページビューの多いページは、公開日から時間が経過しているからページビュー数が多いのか?それとも、本当に”人気”なのか?」が判断つかなかったり、「直近の1ヶ月にレポートを絞り込むと、最近リリースした記事ばかりが上位に入ってくる。これらの記事って本当に”人気”と言えるのか?」と、少しモヤモヤしたりする点です。

 

ブロク記事をApple to Appleで評価する「日あたりPV数」

そうした困りごとを一挙に解決し、記事のページビュー数をApple to Appleで比較できるようにするのが、「ページビュー数」を「公開日からの経過日数」で割って求める、「日当たりPV数」という指標です。つまり、公開から90日で900PVの記事は、10PV/日です。一方、公開から30日で、500PVの記事は、16.7PV/日となります。とすると、記事としては後者の方が人気が高いと判断できます。

今読んでいただいているこのサイトで、公開日の古い順に10の記事を並べたのが以下の表です。Looker Studioで作ってますが、なかなかいい感じだと思います。皆さんのサイトでも同様の分析をすると、きっと「お、こんな記事が意外と人気なんだ」という気付きが得られると思います。

 

 

記事別の「日当たりPV数」を散布図で可視化する

さらに、(Looker Studioでもできますが、Tableauの方が見やすく調整できるので)Tableauで散布図にしてみました。(合計ページビュー数が200以下は除外しています。)こちらもなかなかいい感じなんじゃないでしょうか?X軸(横軸)が公開日からの経過日数、Y軸(縦軸)がページビュー数の合計です。色は、公開日からの経過日数を示しています。濃い方が経過日数が多い。一つ一つの●が記事を表しています。

 

公開日から長く時間が経過していてもページビューの伸びない記事もあれば、その逆もあること、そしてその差は結構大きいぞ。ということが分かります。

 

 

「日当たりPV数」の可視化を実現するSQL文

上記の通り「表(Looker Studio)」と「散布図(Tableau)」で「日当たりPV数」を見ていただきました。この可視化は、GA4がエクスポートしたBigQuery上のテーブルに対して、カスタムSQLを発行して実現しています。SQL文は以下の通りです。もし、皆さんのサイトでやっている場合には、以下の4つの行は修正の必要があります。

 

  • 3行目:プロジェクト、データセット名を修正する必要あります。events_*のところは修正不要です。
  • 4行目:20220815のところを、ブログの最初の記事を公開した日付に修正する
  • 8行目:”ページが見つかりませんでした”のところを、除外したいページタイトルが持つ固有のテキストに修正する
  • 14行目:記事別の合計ページビュー数での足切り数を修正する

 


一応、テキストでも載せておきますので、同じことをやってみたいという方がいらっしゃったらコピーしてお使いください。

WITH master AS (SELECT event_date, 
 (SELECT value.string_value FROM UNNEST(event_params) WHERE key = "page_title") AS page_title
 FROM `bigquerytableauoct.analytics_323400862.events_*`
 WHERE event_name = "page_view" AND _table_suffix >= "20220815"
), master2 AS (
 SELECT *, FIRST_VALUE(event_date) OVER (PARTITION BY page_title ORDER BY event_date) AS release_day 
 FROM master
 WHERE STRPOS(page_title, "ページが見つかりませんでした") = 0
)

SELECT event_date, release_day, page_title, COUNT(*) AS pageviews
FROM master2
GROUP BY event_date, release_day, page_title
QUALIFY SUM(pageviews) OVER(PARTITION BY page_title) >= 200

 

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