わたしの友人の森野さんがいち早くブログ記事にしてくれていますが、GA4では「メモ機能」が使えるようになりました。キャンペーンなどの施策が、GA4で計測している主要な指標にどのように影響を与えたのか、与えなかったのかがわかる便利機能です。
一方、本ブログの読者の方の中には、TableauやLooker Studioでダッシュボードを作成して、主要指標をモニタリングしているよ。という方もいらっしゃると思います。この記事はそうした方に向けて、「メモ」をGoogleシートに記入し、それをGA4やGSCが提供する主要指標と統合して確認できるようにする方法を解説したいと思います。
ただ、すべての手順の詳細を紹介するとかなり長い、読まれない記事になる可能性がありますので、どのようなステップを踏めば実現できるかを簡単に解説したいと思います。また、TableauでもLooker Studioでもダッシュボードを作りましたが、本記事ではTableauをメインに解説しています。
Google シートのメモ
まず、Googleシートに以下のようなメモを用意します。このブログでは、広告などのキャンペーンを全くしていないので、サイトのトラフィックに関わるアクションとしては「新規ブログ記事のリリース」しかありません。ですので、ブログ記事のリリースについて、ブログ記事のカテゴリー(データ中では「タグ」と表示)、ブログタイトル、ブログのURLをまとめています。
また、同じ値しか格納されていないので、一見不要な「アクション」列ですが、Looker Studioで可視化する上では必要なので、あえて「ブログ記事リリース」という文字列を格納しています。もし、広告などを行う場合には、「アクション」列にその旨を記述するとうまくいきます。

Tableauで作成したダッシュボード
Tableauでは、以下のダッシュボードを作成しました。上段がGA4(がエクスポートしたBigQueryのテーブル)から取得したセッション、下段がGSC(がエクスポートしたBigQueryのテーブル)から取得したインプレッションです。折れ線グラフに重なる「●」がメモに投入した「ブログ記事のリリース」を示しています。

上段の折れ線グラフからは、ブログ記事をリリースすると、大なり小なり、セッションが増加する(逆に言うと、ブログ記事をリリースしない限りセッションは増えない)状況が分かります。下段の折れ線グラフからは、ブログ記事の本数自体は確実に増えていっているが、インプレッションはどちらかというと、減少傾向であることが分かります。
上記グラフは、以下の3つのデータソースを結合したものを利用しています。
- Google シートのメモ
- BigQueryから取得したGA4の日別のセッション(合計)と、コンバージョン(合計)
- BigQueryから取得したサーチコンソールの日別のImpressions(合計)
1のGoogleシートのメモは、日付が飛び飛びになっています。そこで、日付が揃っている2を左側テーブルとし、左外部結合で、1と3を結合しています。(SUM(session)/SUM(impressions)などオリジナルのテーブルをまたいだ計算をする場合以外は、2と3は必ずしも結合する必要はありませんが、気分的にデータソースを一つにしたかったので結合してみました。)

1と2が結合されていますので、GA4のセッションGoogleシートのメモを同一のグラフで表すことができます。具体的には、折れ線グラフに重なっている「●」をクリックすると、以下がツールヒントとしてオーバーレイ表示されます。このグラフ表現は、「折れ線」と「円」を二重軸にし、軸の同期を行って実現しています。また、「円」のマークスカードの「色」に「タグ」をドラッグ&ドロップしています。その結果「タグ」(ブログカテゴリ)に従って色がアサインされています。
- 日付
- ブログカテゴリ(データ上のフィールド名は「タグ」)
- ブログタイトル(データ上のフィールド名は「タイトル」)
また、Tableauの「ダッシュボードアクション」機能(具体的には「URLに移動」)を利用して、当該ブログ記事にジャンプするボタンを設定しています。

GA4に直接「メモ」を投入すると、GA4のみでしかメモを利用することができませんが、ここで紹介しているように、Googleシートという外部にメモを残すと、外部のサイトに簡単にジャンプできるようにしたりGSCとも同時にメモを利用できるようになります。それが外部に「メモ」を持ち、BIツールでダッシュボードを作成するメリットと言えるでしょう。
Looker Studioで作成したダッシュボード
ちなみに、Looker Studioで以下の3つのデータソースを使って作成したのが次のダッシュボードです。テーブル同士の「結合」は行なっていません。3つのグラフは3つの異なるデータソース(Googleシートのメモ、BigQuery上のGA4データ、BigQuery上のGSCデータ)からできています。従って「統合」したとは言い難いですね。

縦に並んでいる一番上のチャートが「タイムラインチャート」、真ん中と下は折れ線グラフ(CVRとctrを棒グラフにしているので、厳密にはコンボチャートですが、軸を「右」にしただけなので、基本的には折れ線グラフと思っていただいて良いです)です。グラフが分かれているので、それぞれのX軸が縦方向に揃うように、グラフのエリアで調整しています。
かっこよくはありませんが、最低限、ブログのリリース日と主要トラフィックの関連性は確認できると思います。ちなみに、上段の「タイムラインチャート」のイベントがプロットされているところにマウスオーバーすると、ブログのタイトルが確認できるようにはしています。

学習用のリソース
Tableau Desktop、Looker Studioについては、以下のリソースを紹介します。いずれも、本ブログの筆者であるわたしがリリースしたものです。
Tableauを学べる講座はこちらです。「最高評価」とか、「ベストセラー」をいただいています。いずれも、クリックすると、Udemy.comにジャンプします。


Looker Studioを勉強したい方は、わたしが執筆した書籍や(動画の方が分かりやすいという方は)Udemyの講座があります。ご参照ください。

