Looker Studioの「スコアカード」でディメンションを利用する

Looker Studioの「スコアカード」でディメンションを利用する

2024年12月17日付けのLooker Studioのリリースノートに以下の仕様強化のニュースが掲載されました。(クリックすると、原典にジャンプします。)

 

以下が日本語です。

スコアカードチャートにおけるディメンション

スコアカード チャートで、ディメンションまたは指標を主要フィールドとして表示するかどうかを選択できるようになりました。ディメンションを主要フィールドとして選択した場合、ディメンションの値を並べ替えるために別のフィールドを選択することも可能です。

 

この記述だけだと、今ひとつ何を行っているか分かりづらいと思うので、この記事で解説します。Looker Studioの機能強化や新規機能追加には、個人的には正直「ふーん」としか思わないものもあるのですが、この機能強化は、実はかなり使える!有益!と思います。まずは、スコアカードがもともとどのような機能を持っていたチャートなのかを説明し、それから、今回の機能強化の内容について解説します。

 

スコアカードとは

スコアカードとは、これまでは、KPIを大きなフォントで「どーん!」と表示する目的をもったチャートでした。以下の画像は、Googleがサンプルとして提供しているLooker Studioのサンプルレポートの一つです。(クリックすると原典にジャンプします。)GA4をデータソースとしています。赤枠で囲ったのがスコアカードです。

 

見てわかるとおり、表示されているのはすべて「指標」です。指標とは「数値型」のデータが「合計」や「平均」で集計されたものです。例えば、2024年12月16日から12月22日までの1週間で、1.6万人のアクティブユーザーがいたことがこれ以上わかりやすくはできない形で掲載されています。

 

スコアカードにディメンションを用いるとは

2024年12月17日の発表があるまでは、上記のような使い方をするものだったスコアカードですが、今回の発表により、以下のような利用方法ができるようになりました。

 

赤い矢印で示しているのがすべて、「ディメンション」として「ページタイトル」を利用したスコアカードです。グラフタイトルで示している通り、それぞれ以下に該当するページタイトルを示しています。

  • 過去28日間でもっとも閲覧されたページ
  • 過去28日間でもっとも平均ユーザーエンゲージメント時間が長かったページ
  • 過去28日間でもっともスクロール率の高かったページ

なるほど、たくさん見られたページと、じっくり見られたページと、最後までスクロールされたページは違うんだな。ということが分かります。レポートの左下に「セッション別のセッションメディア」の円グラフを置いていますが、この円グラフの「クロスフィルタリング」をオンにしておけば、円グラフのパートをクリックすることで、3つのスコアカード全部にフィルタを適用することができます。(たとえば、organicから発生したセッションにおいて、もっともたくさん見られた、もっともじっくり見られた、もっともスクロールして見られたページがわかります)

 

スコアカードでディメンションを使う設定

スコアカードでディメンションを使う設定は非常に簡単です。例として、3つお見せしたスコアカードの一番上の「過去28日間でもっとも閲覧されたページ」の設定を確認しましょう。

 

  • 赤矢印:「ディメンション」を選択します
  • オレンジ矢印:レポートに掲載したい具体的なディメンションを選択します
  • 緑矢印:オレンジで選択したディメンションについて、「もっとも●●の大きい(とか、高いとか、長いとか)」の●●に該当する指標を選択します
  • 水色矢印:「降順」(=大きい順)を選択します

 

スコアカードでディメンションを利用した可視化の応用可能性

今回は一番「意味があって分かりやすい」例として、GA4で計測されいているWebサイトのデータを例にあげました。一方、スコアカードでディメンションを利用すると「もっとも●●だった■■」が掲載できますので、データの種類次第では、以下のような応用が可能だと思います。

  • 営業マン別の成績のデータを利用して:もっとも利益を稼いだ営業マンの名前
  • 事業所別のメンバー数、離職者数のデータを利用して:もっとも離職者の少なかった事業所名
  • 社員エンゲージメントのデータを利用して:もっともエンゲージスコアの高かった部署名

 

この記事に関連した学習リソース

Looker Studioは機能強化のペースが早くて楽しいですね。また、基本的に無料なので、BIツールを部署に初めて導入ときには、もっともハードルが低いツールだと思います。

一度、ちゃんと勉強してみたいよ。という方には、以下の動画講座がオススメです。クリックするとUdemyにジャンプします。