ハンズオン手順書
脱Excel!はじめてのビジネスダッシュボード作成

2026年7月24日|The Principle Week 2026|講師:木田和廣(株式会社プリンシプル)

うまくいかないときは
遠慮なく手を挙げてください。会場にいる解析チームのスタッフがお手伝いします。
当日中に終わらなくても大丈夫です。この手順書はこのまま公開しておきますので、家や職場で続きから再開できます。

各Stepの見出しの下に、書籍『いちばんやさしいGoogleデータポータルの教本』(木田和廣 著・インプレス)の該当Chapter・Lessonを記載しています。当日終わらなかった部分や、もっと深く知りたい部分は、本書の該当レッスンを開けば詳しい解説があります。

今日作るのはこちらのダッシュボードです。

完成形ダッシュボード:Google Merch Shop - セッションレポート(スコアカード3枚・円グラフ・時系列・棒グラフ・ヒートマップ表)

準備確認(ハンズオン開始前に)

ゴール:接続するGA4プロパティが決まっている
  1. 会場Wi-Fiに接続します(SSID・パスワードは会場掲示をご覧ください)
  2. 自社GA4を使う方:GA4を閲覧できるGoogleアカウントでChromeにログインし、GA4で自社の数値が見えることを確認します
  3. 自社GA4が使えない方:Googleの公式デモアカウントを使います。こちらのヘルプページを開き、「デモアカウントの追加」セクションまでスクロールして、「GA4 - Google Merch Shop」のリンクをクリックしてください。以降の手順でも、このプロパティを選びます
デモアカウントのヘルプページ。「デモアカウントの追加」セクションのリンクからアクセスを追加する
デモアカウントとは:Googleが運営する実在のECサイト「Google Merchandise Store」のGA4データを、誰でも閲覧できるように公開したものです。本物の、しかも動き続けているデータで練習できます。

Step 1. データソースを作成する

本書の解説:Chapter 3 / Lesson 16
ゴール:GA4プロパティにつながったデータソースができる(ここが今日の最大の山場です)
  1. 新しいタブで lookerstudio.google.com を開きます
  2. 左上の「作成」→「データソース」をクリックします
  3. コネクタ一覧から「Googleアナリティクス」を選びます
  4. アカウント→プロパティの順に選択します(デモの方は「GA4 - Google Merch Shop」)
  5. 右上の「接続」をクリックします。フィールドの一覧が表示されれば成功です
データポータルのホーム。「作成」メニューの「データソース」に赤枠 コネクタ一覧。「Google アナリティクス」に赤枠 アカウント→プロパティの選択画面。Demo Accountを選ぶと「GA4 - Google Merch Shop」が表示される
初めて使う方だけ:最初に国の選択と利用規約への同意画面が出ます。国は「日本」を選んで進んでください。メール配信の設定はすべて「いいえ」で問題ありません。
プロパティが一覧に出てこないときは:ログイン中のGoogleアカウントが違う可能性が高いです。画面右上のアイコンから、GA4を見られるアカウントに切り替えてやり直してください。

Step 2. レポートを作成する

本書の解説:Chapter 2 / Lesson 11
ゴール:タイトルのついた空のレポートができる
  1. フィールド一覧画面の右上「レポートを作成」をクリックします
  2. 「レポートに追加しますか?」と聞かれたら「レポートに追加」をクリックします
  3. レイアウトは「レスポンシブレイアウト」を選択します
  4. 左上の「無題のレポート」をクリックし、レポート名を入力します(例:「◯◯サイト - セッションレポート」)
  5. レポート内にタイトルテキストを配置し、フォントをBoldに変更します
データソースのフィールド一覧画面。右上の「レポートを作成」ボタンに赤枠 レイアウトの選択。「レスポンシブ レイアウト」に赤枠 タイトルテキストを入力し、テキストのプロパティでフォントをBoldに設定

Step 3. スコアカードを3枚作る

本書の解説:Chapter 4 / Lesson 21
ゴール:セッション・直帰率・セッション キーイベント率が縦に並ぶ
  1. ツールバーの「グラフを追加」→「スコアカード」を選び、タイトルの下に置きます
  2. 「スタイル」タブで、見た目を2か所変更します
    • フィールド値を右寄せ
    • パディングの「行の高さ」を48px
  3. 「設定」タブに戻り、指標を「セッション」に変更します
  4. できたスコアカードをコピー&ペースト(Ctrl+C → Ctrl+V)を2回行い、縦に3枚並べます
  5. 2枚目の指標を「直帰率」、3枚目を「セッション キーイベント率」に変更します
「グラフを追加」メニュー。スコアカードに赤枠 スタイルタブ。フィールド値の右寄せと、パディングの行の高さ48pxに赤枠 スコアカード3枚(セッション・直帰率・セッション キーイベント率)が縦に並んだ状態
スタイルを整えてからコピーするのがコツ:先に1枚目の見た目を仕上げてから複製すれば、同じスタイル変更を3回繰り返さずに済みます。サイズも揃います。
用語メモ:数えたい数値(セッションなど)を「指標」、数値を分ける切り口(デバイスなど)を「ディメンション」と呼びます。今日はこの2語だけ覚えれば十分です。
「セッション キーイベント率」が0%になるときは:GA4側でキーイベントを設定していないと、この指標は数値が出ません。その場合は、このあとのStepも含めて、代わりに「直帰率」を使って進めてください。

Step 4. 円グラフ:デバイス別のセッション

本書の解説:Chapter 4 / Lesson 24
ゴール:スマホとPCの比率がひと目でわかる。クリックで他のグラフも動く
  1. 「グラフを追加」→「円グラフ」を選び、スコアカードの隣に置きます
  2. ディメンションを「デバイス カテゴリ」に変更します
  3. 指標が「セッション」になっていることを確認します
  4. プロパティパネルで「クロスフィルタリング」をオンにします
  5. 円グラフの「mobile」をクリックしてみてください。レポート全体がモバイルだけに絞り込まれます(もう一度クリックで解除)
円グラフのプロパティ。ディメンション(デバイス カテゴリ)・指標(セッション)・クロス フィルタリングのトグルに赤枠
ディメンションの探し方:一覧から探すより、検索窓に「デバイス」と入力するのが早いです。

Step 5. 時系列グラフ:セッションの推移

本書の解説:Chapter 4 / Lesson 22
ゴール:日別のセッションの折れ線グラフができる
  1. 「グラフを追加」→「時系列グラフ」を選び、円グラフの隣に置きます
  2. ディメンションが「日付」、指標が「セッション」になっていることを確認します
  3. 「スタイル」タブ→「凡例を表示する」をオフにして、凡例を消します(指標が1つなので不要です)
時系列グラフの配置と、スタイルタブの「凡例を表示する」トグルに赤枠

Step 6. 棒グラフ:メディア別のキーイベント率

本書の解説:Chapter 4 / Lesson 23
ゴール:どの流入元が成果につながりやすいかがわかる。参照元まで掘り下げられる
  1. 「グラフを追加」→「横棒グラフ」を選び、下の段に置きます
  2. ディメンションを「セッションのメディア」に変更します
  3. 指標を「セッション キーイベント率」に変更します
  4. 「ドリルダウン」をオンにし、「セッションのメディア」の下の階層に「セッションの参照元」を追加します
  5. 「表示」の「棒の数」で表示する本数を調整します(残りは「その他」にまとまります)
  6. 「クロスフィルタリング」をオンにします
  7. 「スタイル」タブで、タイトルに「セッションのメディア→参照元別のキーイベント率」と入力し、「データラベルを表示」をオンにします。凡例が出ている場合は「凡例を表示する」をオフにします
棒グラフの設定タブ。ドリルダウン(メディア→参照元の階層)と棒の数に赤枠 棒グラフのスタイルタブ。タイトル入力とデータラベルを表示のトグルに赤枠
ドリルダウンとは:グラフの上で右クリック→「ドリルダウン」を選ぶと、「organicのうち、どの参照元か」まで一段深く掘れます。上の階層に戻るときも右クリックからです。
見方のヒント:セッション「数」が多いメディアと、キーイベント「率」が高いメディアは別物です。率で見ると「量は少ないが質の高い流入元」が見つかります。

Step 7. ヒートマップ付きデータ表:ランディングページ別のパフォーマンス

本書の解説:Chapter 4 / Lesson 25
ゴール:どのページが集客と成果に貢献しているかが、色の濃淡でひと目でわかる
  1. 「グラフを追加」→ 表の中の「ヒートマップ付きデータ表」を選び、棒グラフの隣に置きます
  2. ディメンションを「ランディング ページ」に変更します
  3. 指標を「セッション」「セッション キーイベント率」の2つにします
  4. 並べ替えが「セッション」の降順になっていることを確認します
ランディングページ別のヒートマップ表が完成した状態と表のプロパティ
見方のヒント:数字が大きいセルほど色が濃くなります。「セッションは多いのにキーイベント率の色が薄いページ」が、真っ先に改善すべきページです。

Step 8. 確認:触ってみる・共有する

本書の解説:Chapter 8 / Lesson 46
ゴール:完成したダッシュボードの「触れる機能」を一通り体験する
  1. 画面右上の「表示」をクリックして、閲覧モードに切り替えます
  2. 4つのインタラクションを試します
    • 期間設定:右上の「期間を選択」で期間を変える。全グラフが連動します(このコントロールはレスポンシブレイアウトが自動で配置しています)
    • クロスフィルタリング:円グラフの「mobile」をクリックして全体を絞り込む
    • ドリルダウン:棒グラフを右クリックしてメディア→参照元へ掘り下げる
    • ソート順:表の列見出しをクリックして並べ替えを変える
  3. 「共有」ボタンから共有画面を表示します(まずは特定の同僚のメールアドレスを追加するのが安全です)
閲覧モード。右上の「期間を選択」から過去7日間などを選べる 「ユーザーやグループとの共有」ダイアログ。リンク設定とアクセス権の管理
これで毎月の作業はゼロになります:データは自動で更新され続けるので、来月からは「URLを開いてもらうだけ」。Excelへの転記はもう必要ありません。

ボーナス:時間が余った方向けの追加レッスン

ゴール:3つやりきったら、今日から「ダッシュボードを作れる人」を名乗ってOKです

ここから先はスクリーンショットなし、ヒントだけです。自力で画面を探して仕上げてください。

  1. 「最重要キーイベント」の率に差し替える
    キーイベントを複数登録している場合、「セッション キーイベント率」は全キーイベントの合算です。指標一覧には、特定のキーイベントだけを対象にした率がデフォルトで用意されています。最も重要なキーイベントのものに差し替えましょう。この指標は3か所(スコアカード・棒グラフ・ヒートマップ表)で使っているので、3つとも忘れずに。
  2. ダッシュボード全体の色を統一する
    「セッション=青」「セッション キーイベント率=オレンジ」というルールに統一します。具体的には、円グラフの配色の変更と、棒グラフのバーをオレンジに変える作業が必要です。どちらも「スタイル」タブを探ってみてください。
  3. 地域のフィルタを追加する
    「コントロールを追加」→「ドロップダウンリスト」で、ディメンションを「地域」にしたフィルタを、期間設定の左側に配置します。日本のサイトなら都道府県で絞り込めるダッシュボードになります。
おつかれさまでした!
ここまでできたら、今日のゴールは達成です。このあとの交流会で、ぜひ「自社ではこういうレポートが作りたい」という相談をお持ちください。