2024年11月21日付けのLooker Studioのリリースノートで、以下の発表がありました。日本語に訳してみますね。
2024年11月21日
<仕様> レポートビューワー(=レポートに「閲覧権限」しか持っていないユーザー)にフィルタを全部見せよう
レポート編集者は、レポートビューワー(=レポートの閲覧者)が編集できないフィルタを含めて、適用されているすべてのフィルタをレポートビューワーに見えるようにできます。
※ カッコ内は筆者が付加
なるほど、素晴らしい機能ですね。という訳で、どのように動くのかをレポートします。
ちなみに、公式ヘルプでは、英語には記述がありますが、日本語にはないです。日本語のヘルプページ自体は存在しているのですが、この新仕様についての記述(英語版のヘルプページの赤枠の記述)がすっぽり抜け落ちています^^;
レポート閲覧者が適用されているフィルタを確認する方法
以下は、Looker Studioのレポートに対して「閲覧者」権限しか持っていないユーザーの画面です。Looker Studioのレポート画面の右上にある三点アイコンをクリックしてください。以下の図中では赤で枠をつけたところです。すると「適用したフィルタを表示」が現れます。それをクリックすると適用されているフィルタを確認できます。(ただし、後述するレポート編集者による設定変更が必要)
確認できるフィルタ群(詳細ビュー:OFF)
レポートビューワー(レポートに閲覧権限を持つユーザー)は以下の画面のとおり、右カラムの「適用されたフィルタ」列でフィルタの内容を確認できます。水色枠の「詳細ビュー」がOffになっている以下の画面がデフォルトです。
上図のレポートでは赤枠で図示した「期間設定」コントロールを利用して、レポートの期間を11月1日から7日に一致するというフィルタを適用しています。右カラムの赤枠で示した通りに、その内容が確認できます。では、「詳細ビュー」オプションをオンにすると、どんなレポートが適用されていることが確認できるでしょうか?
確認できるフィルタ群(詳細ビュー:ON)
「詳細ビュー」をオンにした画面を掲載しますので確認してください。「詳細ビューがオフ」で確認できた、「期間設定コントロール」によるフィルタ以外に以下のフィルタの適用状況が確認できます。
- オレンジ枠:レポートレベルのフィルタ
- 緑枠:ページレベルのフィルタ
- 水色枠:グラフグループに対するフィルタ
- 紫枠:グラフに対するフィルタ
レポートレベルのフィルタ(オレンジ枠)、ページレベルのフィルタ(緑枠)については、レポートに配置してあるグラフすべてに適用されます。そのため「どのレポートに適用されているのか?」をいちいち確認する必要はありません。一方、ページ内の一部のグラフに対するフィルタについては、どのフィルタが、どのレポート(や、レポートグループ)に対して適用されているのかの詳細も確認できます。上図では閉じている「このページの●このコンポーネント」のドロップダウンを開いたのが、以下の図です。
- 「セッションのメディアがoranicに一致」フィルタは、2つの横棒グラフをグループ化したコンポーネントに対して適用されている
- 「国がJapanに一致」フィルタは、円グラフに適用されている
ということがはっきり分かります。
レポート閲覧者にフィルタの確認を許容するレポート編集者側の設定
上記のように、レポートビューワー側で、レポートに適用されているフィルタを確認できるようにするには、レポート編集者側の設定が必要です。以下の画面で説明します。
上図はレポートの「オーナー権限」を持っているユーザーの画面です。「オーナー」か、「編集者」であれば以下で説明する操作が可能です。
- 画面右上(赤枠)の「共有」をクリックします。
- 表示される権限付与ダイアログの右上の歯車マークをクリックします。
- 以下のオプション画面が開くので、「閲覧者による適用中の高度なフィルタの表示を無効にする」のチェックを外します(初期状態ではチェックが入っています。)
「高度なフィルタ」とは
レポート編集者が、仮に、デフォルト状態のままにしておくと、「閲覧者による適用中の高度なフィルタの表示を無効にする」にはチェックが入っています。すると、閲覧者は「適用中の高度なフィルタ」は見えなくなる。。。ということですね。では、何が高度なフィルタで、何が、高度でないフィルタなのでしょうか?
一度、上記の「閲覧者による適用中の高度なフィルタの表示を無効にする」にチェックを入れたうえで、閲覧者の画面を見てみましょう。以下の通りになります。
レポート編集者が適用したフィルタはいずれも見えなくなり、以下の、レポートビューワーが自分自身で適用したフィルタだけが確認できます。
- 「期間設定」で適用したフィルタ(赤枠)
- 「クロスフィルタリング」で適用したフィルタ(水色枠)
つまり「高度なフィルタ」とはレポート編集者が適用したフィルタを指します。
まとめ
これまで、レポート編集者が適用したフィルタはレポート閲覧者にとっては確認できませんでした。それが、今回の仕様変更で確認できるようになりました。地味な仕様変更ではありますが、フィルタの適用状況は、可視化されたデータの性質を表す非常に重要な情報ですので、それが閲覧者側で確認できるようになったのはとてもよい仕様変更だと思います。
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