友達の白井恵里さん(メンバーズ・データアドベンチャーカンパニー 社長)が、MarkeZine Dayで大事なことを言ってるな、と思って、同じテーマで私の考えを述べておきたい。というのがこのブログ記事の趣旨です。ちなみに、メンバーズさんと、私が取締役をする株式会社プリンシプルは2017年11月から業務提携をしている関係性です。
さて、DXにおけるデータ収集や活用について一言でいうと、
失敗しないDXは「右からのDX」なんじゃないの
ということです。
「右からのDX」の出典
出典は少々古くて、2020年12月3日に実施した株式会社プリンシプル主催の以下のセミナーです。木田がお話しました。白井さんのMarkeZine Dayの講演記事を拝読すると、私がそのセミナーでお話した約3年前から、DX文脈でのデータ収集について、まだ「失敗を避ける方法論」が確立してないのかな?と思った次第です。もし、そうだとすると(少々古いスライドを出典としている)このブログ記事も多少だれかのお役に立つこともあるのかな。
左からのDXとは?
右からのDXの説明の前に、まず、「左からのDX」について説明します。この「左からのDX」が白井さんの講演でも「データの取得し直しが頻発する」とされているDXの進め方ではないかと思います。
データを集約して、結合できるようにCDPに集約し、それをデータソースとしてダッシュボードを利用して、各部署で施策立案や効果検証に利用する・・・そういう流れです。
つまり、左から始めています。
この方法で進めた場合、一番右に位置している、データを活用してDXの成果を現実のものにするべき営業、マーケ、サポートの人が、ダッシュボードを前にして「で、どうすんだったっけ?」となりがちです。
これが「右からのDX」
一方、「右からのDX」として私が提唱しているのは、以下の模式図で表せます。
少し詳しく述べますね。この方法論では、まず、受益者を想定します。例えば、
営業が●●をすると、不採算案件にリソースを割いてしまう可能性が大きく減る
とか、
マーケが●●をすると、メールマガジンの解約率が下がり、お客様とのエンゲージメントが高まる
とか、
カスタマーサポートが●●すると、コールセンターへのクレームの電話が激減する
などです。上記はわかりやすさを優先して、受益者を社内の部署を主語にして記述しましたが、本質的にはその先のお客さまに「益」が還元される受益者設定が望ましいです。お客様が受益者となる有名な事例としては、建設機械のデータを取得して故障の予知を行い、故障する前に部品を交換することにより、リースされた建設機械の「故障による突然の稼働不能」を防止したり、ガス器具について、お客様が使っている機器の型番と訴える不具合の状況から故障箇所と原因の予測を行い、必要な交換パーツを持ってお客様のところに行くことで「即日(その場で)修理可能な確率」を高めたりといった例があります。
受益者が決まれば、その「益」を発生するためには、業務をどう変えれば良いのか?を考え、設計する。
それが終われば、ではその「再設計された業務」を効率をよく行うにはどのようなデータを、誰が、どんな形で、どんな頻度で見る必要があるのか?を考えて、ダッシュボードを設計する。
それができたら、ではそのダッシュボードを成立させるデータはどんなものかを精査し、必要あれば、CDPにまとめる。元データがなければデータを収集する。
そんな進め方です。「左からのDX」に比べると明らかですが、右から左にプロセスが進んでいることが分かります。
また、右からのDXは、「益」をまず定義することから、「リターンドリブンDX」とも呼べるでしょう。「益」に駆動されたDXです。これなら、理屈上は「で、どうする?」とはならないのです。
相談してみたい
もし、相談してみたいと思った方は、(このブログは木田の個人オウンドメディアですので)株式会社プリンシプルのお問い合わせフォームからお問い合わせをいただけると嬉しいです。その際、「右からのDXについて知りたい」などとおっしゃっていただけるとスムーズかと思います。
いや、木田さんやプリンシプルさんじゃなくて、白井さんに相談したいよ、という場合もあるでしょう。そんな場合には、白井さんがカンパニー社長をしているメンバーズ・データアドベンチャーカンパニーのウェブサイトはこちらです。(^^)/