GA4経路データ探索レポートのクセ

GA4経路データ探索レポートのクセ

GA4の探索配下に「経路データ探索」レポートがあります。

本記事では、このレポートのクセと使い方のコツについて書きたいと思います。

GA4 経路データ探索レポートを開いたら最初にやること

探索 > 経路データ探索レポートを開いた時、最初に行う4つの作業は以下です。

  1. 「最初からやり直す」ボタンのクリック
  2. 指標を「イベント数」から「アクティブユーザー数」に切り替える
  3. ノードの種類として「イベント名」以外の2つのうちどちらかを「始点」または「終点」にドラッグ&ドロップする
  4. 「特別なノードのみ表示」が(デフォルトではそうなのですが)「オン」になっていることを確認する

1については、最初、サンプル的に表示されるレポートが、自分が見たい経路を分析しているということはまずありえないため、ゼロから作成するために必要です。

2については、(もちろん、中にはどのようなイベントがどのような順番で起きているか知りたい人もいるとは思うのですが)より一般的には、ページの表示順を知りたいと思うので、その設定です。

3については順番に起きたイベント数ではなくで、その経路の順にページを表示したユーザー数が知りたいことが一般的だと思いますので、その設定です。

4については、まぁ、そういうものだと思ってください。オフにするとわかりますが、同一のノードが延々と続き、分析にならないです。

十分、レポートに慣れてきたら、必ずしも上記4つの設定にする必要もないのかもしれませんが、慣れないうちは必須の設定だと思います。

「始点」は必ずしもセッションの開始を意味しない

以下のレポートを見てください。筆者の検証用サイトなので、ユーザー数が非常に少なく、検証しやすい状態になっています。

  • 「トップページ」を表示して離脱したユーザーが1人
  • 「トップページ」を表示して、「小説トップページ」に遷移したユーザーが2人

と読み取れます。

実は、このレポートは以下のデータからできています。1人のユーザーの行動については時系列順に並べています。

「トップページ」を表示して離脱したのは緑のユーザーで、残りの2人のユーザーが、「トップページ」のあと、「小説トップページ」に遷移しています。それはそれで正しいのですが、赤のユーザーがセッションを開始したページ、つまり、ランディングページは「トップページ」ではありません。

「トップページ」から「小説トップページ」に遷移したのは、赤のユーザーの3行目、4行目のページ表示であり、それがレポートに反映されています。これで「始点」は必ずしもセッションの開始を意味しておらず、したがって、一番左のノードは、必ずしもランディングページではないことが理解できると思います。

ランディングページを指定したセッションセグメント適用でセッション開始時からのページ遷移が表示される

次に、上記で示した経路データ探索レポートに「トップページをランディングページとするセッション」という名前でセッションスコープのセグメント(ランディングページをトップページに指定)を適用しています。これで一番左のノードである「トップページ」(赤枠)は、ランディングページとなります。

セッションの開始時点からの経路を確認するには、このセグメントを適用するのが有効です。

セグメントの設定も掲載しておきますので、参考になれば幸いです。

セッションが別なら同一ユーザーでも経路が分かれる

別の経路データ探索レポートを見てください。(セグメントは非適用で、「全ユーザー」です。)

最初のノードではアクティブユーザー数の合計が2であるところ、二番目のノードでは1+1+1で3人のユーザーがいることになっています。これはなぜでしょうか?

実は、このレポートは、以下のデータから生成されています。

ユーザーはたしかに2人なのですが、緑のユーザーが、水色と紫の2つのセッションをもたらしています。そして、レポートはセッションを分けて経路を可視化しているため、2番目のノードのユーザーの合計数が3となっている訳です。したがってレポートの解釈として「セッション単位で集計した<レポートが示す経路>を通ったアクティブユーザー数」が数値として表示されているという解釈が必要だと思います。

つまり、上記の例で言えば、

  • 「トップページ」→「スイーツ一覧」をセッション中に通ったアクティブユーザーが1人
  • 「トップページ」→「ログインありがとうございます」をセッション中に通ったアクティブユーザーが1人
  • 「トップページ」 →「竹柏記1」をセッション中に通ったアクティブユーザーが1人

という解釈をするということです。各ノードの数値を縦方向に合計しても、必ずしもユニークなアクティブユーザー数とは一致しない。ということですね。

細かいですが、正しいレポートの解釈のためには、こうした仕様の理解も必要になってくると思います。

このブログ記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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